初心者向け
問1. (語句の穴埋め) ※4級相当
以下の文の1~4に入る用語として最も適当と思われるものを、下記の<用語群>から選び、その記号(ア~サ)から選択しなさい。なお、同じ記号を複数回使用しないこと。
( 2 )完成工事高は、完成した工事に対する( 2 )である。
( 3 ) 労務費は工事に直接従事する作業員に対して支払われる( 3 )である。
( 4 )工事の一部を( 4 )に発注した際に支払った代金を外注費と呼ぶ。
<用語群>
ア:元請業者 イ:売上高 ウ:財産 エ:工業簿記 オ:下請業者 カ:予算
キ:賃金 ク:進捗 ケ:利息 コ:複式簿記 サ:発注者
ー 回答 ー
( 1 )コ 複式簿記 ( 2 )イ 売上高 ( 3 )キ 賃金 ( 4 )オ 下請業者
ー 解説 ー
( 1 ) 取引の結果のみを表示しているのが「単式簿記」、原因と結果を表示しているのが「複式簿記」です。
( 2 )工事を施工し引渡した場合の売上を、建設業簿記では「完成工事高」と呼びます。
なお、商品等を販売した場合の売上を、商業簿記では「売上高」と呼びます。
( 3 ) 工事現場で従事する作業員に対する賃金を「労務費」と呼びます。
また、本社事務所などで従事する労働者に対する賃金を「給料」と呼びます。
工事に関する支出とそれ以外の支出に分け、工事にいくらかかったのかを把握することが、建設業簿記の目的であり特徴の一つです。
( 4 ) 工事の規模が大きくなると、他社に工事の一部を委託することがあります。この委託先を建設業界では「下請業者」と呼びます。また、この下請業者に対して支払う委託料を建設業簿記では「外注費」と呼びます。
問2. (仕訳問題)※4級相当
次の取引について仕訳を示しなさい。
使用する勘定科目は下記の<勘定科目群>から選ぶこと。
なお、解答は次に掲げた(例)に対する解答例にならって回答しなさい。
(例)現金¥100,000 を当座預金に預け入れた。
(回答例)〔借方〕B当座預金100,000 /〔貸方〕A現金100,000
( 2 ) 現場作業員の賃金¥280,000 を現金で支払った。
( 3 ) かねてより下請業者へ発注していた工事について、下請業者から作業完了の報告があり、その工事代金¥1,500,000 を現金で支払った。
<勘定科目群>
A:現金 B:当座預金 C:完成工事原価 D:完成工事高 E:資本金
F:給料 G:労務費 H:退職金 I:外注費 J:通信費
ー 回答 ー
( 1 )〔借方〕A現金 800,000 /〔貸方〕D完成工事高 800,000
( 2 )〔借方〕G労務費 280,000 /〔貸方〕A現金 280,000
( 3 )〔借方〕I外注費 1,500,000 /〔貸方〕A現金 1,500,000
ー 解説 ー
仕訳とは、取引の2つの側面(原因と結果)を「左」と「右」に分けて表します。
左を「借方(かりかた)」、右を「貸方(かしかた)」と言います。
仕訳には一定のルールがあり、現金が増えている場合は借方(左側)に、現金が減っている場合には貸方(右側)に「取引の結果(現金の動き)」を記録します。
「取引の結果」を記録した後、その反対側に「取引の原因」を表す勘定科目を記録します。
以下の解説では、結果にあたる部分には波線、原因にあたる部分には二重線を引いています。
(1) 受注工事が完成したので発注者に引き渡し、工事代金¥800,000 を現金で受け取った。
現金を受け取っている(増加している)ので、借方(左側)に現金が入ります。(結果)
現金が増えた理由は完成した工事の代金なので、貸方(右側)に完成工事高が入ります。(原因)
(2) 現場作業員の賃金¥280,000 を現金で支払った。
現金を支払っている(減少している)ので、貸方(右側)に現金が入ります。(結果)
現金が減少した理由は現場作業員の賃金なので、借方(左側)に労務費が入ります。(原因)
(3) かねてより下請業者へ発注していた工事について、下請業者から作業完了の報告があり、その工事代金¥1,500,000 を現金で支払った。
現金を支払っている(減少している)ので、貸方(右側)に現金が入ります。(結果)
現金が減少した理由は下請業者に対する工事代金の支払なので、借方(左側)に外注費が入ります。(原因)
問3. (材料費の計算)※3級相当
甲材料は10月から購入を開始した常備材料である。10月の甲材料に関する記録は次のとおりであり、消費単価の計算については先入先出法を使用している。10月の802工事で使用した甲材料の消費総額を答えなさい。
●先入れ先出し法とは…先に購入したものから順次消費していくと仮定し、消費単価を決定する方法。
ー 回答 ー
¥690,000
ー 解説 ー
先入れ先出し法を採用しているため、倉庫にある在庫を購入した日ごとに分け、消費量や在庫を計算します。消費する際は、購入した日付が早いものから順に在庫を減らして計算します。
- 1日
-
購入60×11,000=¥660,000在庫60×11,000=¥660,000
- 7日
-
消費30×11,000=¥330,000在庫(60 -30)×11,000=¥330,000
- 13日
-
購入50×12,000=600,000円在庫(60 -30)×11,000=¥330,000・・・(1日購入分)
+
50×12,000=¥600,000 ・・・
(13日購入分)
=930,000
- 20日
-
消費30×11,000=¥330,000 ・・・
(1日購入分)
+
30×12,000=¥360,000 ・・・
(13日購入分)
=¥690,000(回答)